平成24年2月定例会・一般質問《質問日:平成24年2月28日》 …質問一覧のページに戻る
若者よ海外に飛び出せ
人材は、日本が世界に誇る最大の資源であります。知事は今年度、未来への投資として、10億円の基金を設け、グローバル人材の育成に取り組まれ、世界25カ国におよそ250人余りの若者を送り出されました。
このグローバル人材の育成の取り組みの中に、「埼玉発世界行き」奨学金、高校生の留学コースがあります。保護者の所得が600万円未満で、留学期間が180日以上の場合、60万円が奨学金として支給されますが、ほとんどの場合、自己負担額が生じると思われます。実際には、60万円の倍以上の出費となるのではないかと思われます。それらの家庭の事情を考えると、親の懐を思いやるお子さん方は辞退してしまうのではないでしょうか。
そこで、今年度50名程度募集されましたが、その実績をまず教育長にお伺いします。
また、埼玉県の取り組みに刺激された東京都では、来年度から9年間で都立高校生3,000人を海外留学させる計画を立てているところです。県は、募集人員を拡大すべきではないでしょうか。
さらに、お金がなくても世界にチャレンジしようという志を持っている人材があれば、保護者の所得にかかわらず、ほとんど自己負担金なしで、チャレンジ精神旺盛な高校生なら誰でも海外に挑戦できるような、例えば現在行っている短期派遣の人数を増やすべきだと考えますが、教育長はいかがでしょうか。
また、私は、感受性に富んでいる若いうちに世界を肌で感じることが、感性豊かな人間に成長すると考えます。大学生よりも高校生あるいは中学生が適齢期と考えます。都立小石川中等教育学校は、中3になると全員がオーストラリアに短期留学するとのことです。「留学すれば受験には不利」という声も耳にしますが、マイナスをはるかにしのぐ未知との出会いが海外にあると考えます。
中学生を海外に派遣することについて、併せて教育長のご所見をお伺いします。
若者よ海外に飛び出せ
前島 富雄 教育長
グローバル人材を育成していくためには、高校生の段階から、海外に目を向けさせることが、大変重要なことと考えております。
まず、「高校生留学コースの奨学金実績について」でございますが、50人の募集に対し、31人の応募でありました。
次に、「募集人員を拡大すべきではないか」についてでございます。
今年度設けておりました所得制限の撤廃など、応募条件の見直しを図り、来年度は50人の募集枠を満たすよう努めてまいります。
次に、「自己負担金なしで短期派遣する人数を増やすべきではないか」についてでございます。
県教育委員会では、今年度、県の負担で、県立高校生30人をハーバード大学やマサチューセッツ工科大学に派遣しました。
派遣された生徒は、授業への参加や、学生との交流などを通じ、「絶対に留学する」と決意を新たにしておりました。
さらに、チャレンジすることを恐れない、積極的に発言するなどの心構えを身に付けてきました。
来年度は、今回の成果を踏まえ、10人増やし40人とする計画であります。
今後も、意欲ある高校生が海外で学習する機会を設け、将来グローバルに活躍できる人材の育成に取り組みます。
次に、「中学生を海外に派遣すること」についてでございます。
中学生が海外派遣を通して世界を直接肌で感じることは、豊かな国際感覚を育む上で貴重な体験となると考えます。
市町村では、既に、独自に中学生を海外へ派遣しております。
平成22年度は23の市町村で360人をアメリカ、オーストラリアなどに派遣し、ホームステイを行ったり、現地の中学生と共に授業を受けさせるなど、さまざまな体験をさせています。
県では、派遣された中学生の体験を授業で生かしていく事例を紹介するなど、中学生が海外派遣などに意欲的に取り組めるよう、引き続き市町村を支援してまいります。