平成24年2月定例会・一般質問《質問日:平成24年2月28日》 …質問一覧のページに戻る
見沼田圃の今後の保全と活用について
県では、見沼田んぼの貴重な緑地空間を保全していくために、平成7年4月に「見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針」を策定し、これに基づき、農地、公園、緑地などとしての見沼田んぼの土地利用の基準を定め、行政指導による土地利用の規制、公有地化などを行ってまいりました。
このような中で、地元農家の方々の努力と協力により、貴重な農地や緑地が守られてきましたけれども、近年の農業従事者の高齢化、後継者不足などにより、従来の土地利用規制だけでは見沼田んぼの土地の減少や緑地の荒廃が進み、貴重な首都圏の緑地空間としての財産が保全できるのか、大変心配しております。
自由民主党県議団としても、鈴木弘議員がプロジェクトチームのリーダーとなり「埼玉県観光づくり推進条例」の提出に向けて準備しているところですが、この地域の可能性を生かして、もっと多くの方々に来ていただけるような努力をすれば、周辺地域の観光振興にもつながるものと期待しているところです。
さいたま市では昨年1月、「見沼田圃基本計画」を策定し、従来の「保全」という考えに加えて、「活用することで守る」という考えを打ち出してきたとお聞きしております。
そこで、まず、県の基本方針の策定から15年が経過し、社会状況が大きく変化している中で、今後県としては、見沼田んぼの保全・活用についてどのように取り組んでいく考えがあるのか。
また、先ほど述べた「埼玉県・さいたま市企画調整協議会」が設置され、県市にわたる政策課題などの議論が開始されました。こうした動きの中で、これからの見沼田んぼの土地利用規制について、県、さいたま市、どちらが主体となって、どのような役割分担で取り組んでいかれるのか、企画財政部長に併せてお伺いします。
また、見沼田んぼの保全と活用の観点から、大規模な農産物直売所などの整備を行い、県内外からの来訪者を呼び込むようなことができたらばと考えます。併せて、企画財政部長のご所見をお願いします。
見沼田圃の今後の保全と活用について
下仲 宏卓 企画財政部長
まず、「県の見沼田んぼの保全・活用についての取り組み」についてでございます。
県は、治水機能を保持するため、これまでもさいたま市や川口市と連携し「見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針」に基づき農地や公園、緑地などとして土地利用を図ってまいりました。
また、農地の流動化の動きを踏まえ、活用の新たな取り組みとして、見沼田んぼ保全のために取得した土地を農地として貸し付けする制度を本年2月に創設いたしました。
県としましては、広域的な立場から治水機能を保持するという本来の目的を堅持しながら、引き続き見沼田んぼの保全・活用に取り組んでまいります。
次に、「見沼田んぼの土地利用規制についての県、さいたま市の役割分担」についてでございます。
見沼田んぼの土地利用規制については、大規模なものは県で、簡易または小規模なものは市が担当しております。
これまで、建築物の建て替えや水田から畑への転換など簡易または小規模な11項目の土地利用規制事務を市に移譲いたしました。
土地利用の指導・調整に関する事務は、地域の事情に精通した地元市が担当した方が、適切できめ細やかな対応が期待できます。
今後の県と市の役割分担については、市から事務の移譲を受けたいとの要望があれば、治水機能を考慮しつつさらなる移譲を検討してまいります。
最後に、「農産物直売所などの整備を行い、県内外からの来訪者を呼び込む事についてどう考えるか。」についてでございます。
現在のように見沼田んぼが保全できたのは、地元農家のご協力によるところが非常に大きく、見沼の農業振興を図ることもまた重要であります。
「見沼田圃の保全・活用・創造の基本方針」では、地元市が所管する農地法などの諸法令との調整が必要となりますが、農業協同組合などが設置する農産物直売所のための土地利用を認めております。
このような施設を設置することにより多くの方に来ていただき、見沼田んぼの魅力や役割を認識していただくことは良いことだと考えております。