平成24年2月定例会・一般質問《質問日:平成24年2月28日》 …質問一覧のページに戻る
自然にやさしい道づくりについて
昨年、木々の緑がまぶしい季節に秩父を通り、山梨方面へ車を走らせると、緑の中から突然斜面にコンクリートが現れ、非常に違和感を感じたとともに、何とかならないものかと感じております。
地震や風水害などで災害大国と言われるわが国において、道路工事などでできるのり面をいかに持続的に災害から守るかという課題と、いかに自然景観と調和した工事をするかという課題の両方を満足することが必要であると考えます。
ところで、最近、むき出しのコンクリート構造ではなく、自然を生かしながら公共工事が進めていけるさまざまな新技術が提案されているとも聞いております。
そこで、本県の山間部における道路ののり面工事において、このようなむき出しのコンクリート構造物だけに頼らず、災害に強い安全性と自然景観に調和した工事を行うべきと考えますが、県土整備部長のお考えを伺います。
自然にやさしい道づくりについて
成田 武志 県土整備部長
秩父地域など山間地の道路の斜面を安定させる構造物は、がけ崩れ、落石などによる事故や通行止めを防止するために、大変重要な役割を果たしております。
これまで、入手が容易で施工性に優れたコンクリートを利用して斜面を一面に覆うなどの工法で、工事を進めてまいりました。
しかし近年は、地域固有の自然景観に調和した公共事業が求められており、景観に配慮したさまざまな斜面安定工法が開発されてきております。
工法選定にあたりましては、まず第一に災害に強く、長期間に渡って安全であることが重要であります。
その上で、施工性、経済性や維持管理のしやすさに加え、景観などを総合的に検討し、工法を決定しております。
県の道路事業におきましても、現場の状況に応じてさまざまな工法をとり入れております。
例えば、国道140号皆野秩父バイパスでは、斜面工事をする中で既存の植生を移植して、元の自然環境に近づける工法を実施しております。
今後も、表情豊かな自然景観と調和した安全で快適な道路づくりに取り組んでまいります。