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平成22年12月定例会・一般質問《質問日:平成22年12月10日》 …質問一覧のページに戻る

発達障害から子どもを救う!

質問 昨今の新聞等のニュースでも大きく報じられておりますけれども、障害児が学ぶ全国の特別支援学校で深刻な教室不足が生じております。少子化で子どもの数は減っているのに、特別支援学校の児童数だけは急増しておる状況でございます。文部科学省のまとめでは、昨年の公立特別支援学校の在籍者数は11万3千人、10年間で2万8千人増加した計算であります。
 このことは、わが埼玉県においても例外ではございません。ここ10年を見ても、児童数は、平成12年度の40万5千人から、21年度の39万8千人へと減少しています。県内の人口は、この期間に22万増加していますので、割合からすれば児童数の減少は大きなものと言えます。
 しかしながら、特別支援学校や特別支援学級は増加しており、平成12年度の36校、532学級から、21年度41校、757学級と急増するばかりでございます。埼玉県では、年間推定7千人から8千人が発達障害となり、増加の一途をたどっている模様です。
 新聞によれば、埼玉県教育委員会の5年前の平成17年度調査における、通常学級にも11.7パーセントの特別支援教育を必要としている児童が入学しているという結果により、支援員の配置をはじめ膨大な費用が必要となっているとありました。
 東京都においては、ここ5年間で2.5倍もの伸び率になっているとの報道でもございます。埼玉県では、近々のデータではございませんが、これに近い伸び率になっているのではないかと存じます。
 仮に県内小中学校の支援員を一人ずつ、小中学校合わせて1,200校になりますけれども、そこに配置していけば、何と12億円にもなります。さらに、特別支援学校の運営費は膨大であろうと拝察いたします。
 障害者施設の増設、運営、将来を含めた成人者の生活保護までトータルで考えれば、なおさら膨大な費用となりますでしょう。これからの長い将来にわたっての支援が必要になってまいります。併せて就業力の減少にもなりますし、ひいては大きな生産性の損失にもなることと存じます。
 そこで、埼玉県では、ここ10年間で発達障害児の在籍する公立特別支援学校について、人件費を含めた管理運営費はどの程度増加したのか。施設に関する経費としてどの程度の額を支出したのか、教育長にお伺いをいたします。
 また、発達障害児支援のためにどのような取り組みを行っていたのか、併せて教育長にお伺いをいたします。
 前の北海道大学の教授、人間性脳科学研究所所長の澤口俊之先生や川崎医科大学名誉教授のKIDS21子育て研究所所長、片岡直樹先生等の研究によれば、発達障害の支援が分かってきたとのことであります。2歳までに早期対処、治療をすべきで、4歳ないし5歳になりますと、健常児への回復が大きく損なわれてしまうとの臨床データもございます。
 膨大な費用をかけて特別支援教育を実施しても、発達臨界期を過ぎた子供たちの指導改善効果は、残念ながら緩やかな程度しかございません。
 上田知事は、この問題の研究者である金子保先生ともお会いし、その際、提言を受けておられますが、ぜひこれを実践していただきたいと思います。発達障害の予防と早期治療指導を行うことにより、膨大なプラスの経済効果も期待できると思っております。
 また、知事は今年5月の彩の国だより「知事コラム」で、全国で子どもの数が減っているのに、特別支援学校はどんどん増設されていますとの認識も明らかにされております。このまま放置し続ければ、まだまだ増加の一途をたどってしまいます。
 この状況を打破するためにも、早期対処も大切でございますが、予防が重要となってまいります。そのために、埼玉発の発達障害を予防する啓蒙(けいもう)と情報提供あるいは教則本など、できる限りの手を打ち、懸命に対処すべきと考えます。
 予防の方法は、本来の日本の伝統的な育児の方法であり、新しい接し方ではありません。子育てにおけるリスクの低減を早急に図って、埼玉県の子供たち、さらには日本の子供たちを救って、誰もが望む未来への有効な投資と考えていきたいと思います。
 発達障害にとって重要な予防と早期発見、発達支援について、知事のお考えと決意についてお伺いを申し上げます。
 また、併せて、発達障害の予防、早期発見、発達支援に関して具体的に今後どのように取り組んでいかれるのか、福祉部長にお伺いを申し上げます。

発達障害から子どもを救う!

答弁上田 清司 知事

 私はこの4月にオープンした草加市の子育て支援センターを9月に訪問をいたしました。
 ここはお母さんたちが子供たちと一緒に遊びながら情報交換したり、育児の悩みを相談するなど子育てサポートをする場所であります。
 そこに発達障害のための診療所があり、気軽に診ていただき適切な治療を受けたり、併設された本格的なリハビリ施設で、早い対応をしておりました。
 このようなセンターでの取り組みの結果をよく検証し、その結果が素晴らしいものであれば、たぶん素晴らしいものだと私は期待しておりますが、こうした取り組みが全国に発信できるのではないかというふうに思っております。
 松伏町にあります中川の郷療育センターの施設長であります許斐医師は、多くの発達障害児の診療をされております。
 許斐先生は、発達障害は何も手を打たない場合、集団になじめず、不登校や引きこもりなどになりやすいと話されておられます。
 しかし、早期に手を打てばコミュニケーションの改善が図られ、集団になじめ落ち着いて生活ができるようになるとおっしゃっておられます。
 このため、発達障害による日常生活の困難さが改善されれば、子どもも親もその負担が減り、社会的コストが軽減できると考えております。
 現在、発達障害の具体的な支援方法は、ある意味ではまだ十分確立されておりません。
 そこで、私は、宮崎議員のご紹介もあり、いろいろなお話を聞く中で、これは早く手を打つ必要があるなということで、とりわけ庁内でも保健、教育、医療、福祉関係部署が一体となったプロジェクトチームを作って、短期的に支援のあり方を作っていく必要があるとこのように思って、早速検討させた結果、発達障害は早期発見・早期支援、とりわけ愛情を持って育てることで改善の効果が大きく、特に就学前からの支援が重要であるという認識、そうした結論に至った経過がございます。
 そしてまた、発達障害の方々は好きなことに熱心に取り組める特徴がありますので、将来得意とする分野では活躍できる可能性も十分持っておられるようなことも検証はできております。
 エジソンやモーツァルトなど世界的な著名人の中にも、文献によると、発達障害だったのではないかと言われているような方が数多くおられるようであります。
 私は発達障害の支援体制を整備し、発達障害の方の早期発見、早期支援と併せて親支援というものを積極的に推進しなければならないと考えておるところでございます。

答弁武島 裕 福祉部長

 発達障害の予防、早期発見、早期支援に関して、どのように取り組んでおり、今後どのように取り組んでいくのかについてでございます。
 県では平成14年度に川越市に発達障害者支援センターを設置し、社会福祉法人けやきの郷に運営を委託しております。
 ここでは、相談支援や就労支援を行うとともに、市町村保健センターや特別支援学校などの関係機関に対して発達障害の理解を深める研修や情報提供を行っております。
 しかし、発達障害に特化した支援機関は県内でここしかなく、支援が十分ではございませんでした。
 また、今まで発達障害の方々に対する支援は、福祉、保健、医療、教育のセクションが個々に行っておりました。
 このように、これまでの取り組みだけでは十分でないことから、知事の指示を受け、県を挙げて発達障害の支援に力を入れるべく、今年の7月にプロジェクトチームを設置し、支援のあり方について検討してまいりました。
 検討の結果、4つの点について取り組んでまいりたいと考えております。
 まず1点目としては、発達障害は認知度が十分でないため、より多くの方に認識を促す啓発の充実に努めます。
 2点目として、3歳位までに発達障害に気づき、リハビリなどの療育をすることによって、就学時に子どもの日常生活の困難さが改善されることなどから、早期発見、早期支援の体制づくりに努めてまいります。
 3点目として、こだわりが強い、言葉の発達が遅いなど、親も子育てでストレスや孤立感に陥ることから、子どもの発達相談だけでなく、親の心のケアなど親支援に努めてまいります。
 4点目として、これらを進めるために、市町村をはじめ、保育所、幼稚園、学校、放課後児童クラブ、地域子育て支援センターなどの各分野で専門知識を持って対応できる人材育成に努めてまいります。
 今後とも市町村をはじめ、親の会や医療機関など関係機関と連携を取りながら、発達障害の方々に対する支援策の事業化に向けて積極的に取り組んでまいります。

発達障害から子どもを救う!(再質問)

質問 質問の中の「発達障害のための早期発見のこと」についてはご努力をいただいているご答弁を頂いて、ありがたいなと存じまして、なおさら力を注いでいただきたいところですけれども、「予防の部分」がどうも聞こえてきていないのが大変残念でした。
 今回、私のこの質問の中は、「予防対策について」大きく聞きたいなという気持ちで質問、この壇上に出させていただいたんですが、そこの部分が聞こえてこなかったのが本当に残念でした。
 いや、大変難しいということはよく分かります。プロジェクトチームを組んでいただいて、保健、医療、福祉等々の分野からそれぞれの先生方が集まって組んでいただいた。このことが逆にですね、船頭多くて、どこかに上っちゃったんじゃないかなというような気がするんですよ。
 知事は、もう既に6月の舟橋一浩議員に答えて、「これだ」と。そういうことで話をしていただいているわけなので、いろんな手法があると思うんですけれども、特にこれには当たっていただいて、思い切って大きくこのことをPRしていただかない限り、県民、国民は気が付かないんですよ。こんな小冊子の小っちゃいものだとか、お医者さんに行ったり、保健所に行ったり、ポスター見ただけでは分からないんです。
 ですから、親となった瞬間から、「子育てはこうしてくださいね」、「こういった方法が良いと思われますよ」というような分かりやすいテキストや方法が、そういったものを手にすると、親というのは真剣になりますから。誰もね、自分の子を発達障害やなんかにしようと思っている人は、一人もいないはずです。
 きちんとした、説得力のあるものを一人ひとりが手に持っていただけるような、「具体的な予防はこうです」というふうな答えが返ってくるかなと思ったら、ふにゃふにゃとしか聞こえてこなかったので大変残念でしたので、これは福祉部長、いろんな部局が集まってくるんでしょうけど、福祉部の責任だということで、知事に代わって頑張っていただきたいと思います。
 よろしくお願いします。

発達障害から子どもを救う!(再質問への答弁)

答弁武島 裕 福祉部長

 予防については一般的には、発達障害は脳に病理がある先天的な障害であり、現在のところ「予防」とか「治る」とか言われないと言われております。
 一方、脳に病理は無いが育児放棄や虐待など親子関係が築けない子どもには、無関心や多動など発達障害とよく似た症状が現れることがあると言われております。
 このような子どもは愛情をもった親子関係を形成することで症状が治ると言われております。
 発達障害においても親が愛情を持って子育てすることで、治るとまでは言えませんが症状を軽減することができると言われております。
 子どもの特性を理解した愛情あふれる子育ては、対人関係などストレスを緩和して、引きこもりや精神疾患など重度化を防ぐことができます。
 そのため、予防という非常に確立されたものは無いんですが、一生懸命、早期発見・早期支援に向けて努力してまいります。

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