平成17年2月定例会・一般質問《質問日:平成17年3月1日》 …質問一覧のページに戻る
青少年に有害な図書等の自動販売機について
先ほども触れましたが、十七歳の少年による教師殺傷事件のような青少年にかかわる凶悪犯罪が発生するたびに、私は埼玉県の将来を担っていく子供たちが元気に成長してほしいという願いとともに、青少年の健全育成に県民を挙げて取り組むことの必要性を強く感じているところでございます。
さて、その青少年の健全な育成の取組についてですが、その一つとして、青少年を取り巻く有害環境の浄化も大変重要な問題であると認識しております。
特に、近年は過激な性描写が掲載された有害図書やビデオなど、青少年の出入りの多いコンビニエンスストアや書店でも売られており、大変憂慮される状況にあります。
そのため県では条例を改正し、青少年の有害図書の閲覧や購入を防止するため、有害図書と一般図書との区分陳列の基準を新たに設けるなど、有害図書に関する規制を強化したことは評価するものでございます。
また、知事は改正条例の施行に合わせて、二月八日にコンビニエンスストアや書店を青少年育成推進員とともに回られたとのことでありますが、有害な環境の排除には、書店等の店頭で販売されている有害図書の規制とともに、自動販売機で売られている有害な図書等の追放も大きな課題であります。
自動販売機への有害図書の収納は、県青少年健全育成条例により禁止されておりますが、図書等の自動販売機には依然として有害図書などが収納され販売されているのが現状であります。
自動販売機は、コンビニエンスストアなどの対面販売と異なり、購入しようとする青少年の心理的負担が少なく、青少年が容易に買うことができてしまいます。
私の地元さいたま市南区でも、通学路近くに有害図書やビデオなどが収納された自動販売機が設置されており、自治会長からの申出により私が調査した結果、早朝等に青少年が購入しているとの住民の方々の証言もあり、早速住民の方々とともに撤去の運動を行いました。
幸い県にも積極的に動いていただき、撤去の運動が実を結び、昨日撤去することになりました。
まだまだ県内には数多くの自動販売機が設置されていると聞いております。
そこでお尋ねしますが、現在、図書等自動販売機の設置状況はどうなっているのか、またその台数を減少させるべきだと思うが、今後についてどのように取り組んでいかれるか、総務部長にお伺いをいたします。
青少年に有害な図書等の自動販売機について
島村 和男 総務部長
御指摘のとおり、青少年を取り巻く有害環境の浄化は、地域で青少年を健全に育成する上での重要な課題であり、その一つに図書等自動販売機の問題がございます。
図書等の自動販売機は店員と対面することなく販売され、青少年でも容易に購入できますことから、埼玉県青少年健全育成条例で、有害な図書、ビデオ、DVDなどの自動販売機への収納を禁止しているところでございます。
御質問の図書等の自動販売機の設置状況につきましては、多いときには県内に一千台を超える台数がありましたが、地域の方々の撤去運動などにより、平成十七年一月現在五百三台と半減しております。
また、二月に施行されました改正条例により、いわゆる遠隔監視システムがついた自動販売機についても条例による規制の対象であることを明確にいたしましたが、このタイプの自動販売機が県内に約六十台ございます。
次に、自動販売機の台数を減少させるための取組でございますが、自動販売機そのものを強制的に撤去させることは、営業の権利にもかかわる問題もあり難しい状況にございます。
このため、地域の方々や地元の関係機関との連携を強化し、撤去運動を促進することが重要でありますので、県といたしましては、青少年育成推進員による設置場所の土地所有者への働き掛けや業者への自動販売機の撤去要請など、地域の方々の運動に対する支援を一層進めてまいります。
また、市町村との連携による現地調査や地域創造センターによる文書での行政指導、警察による違反の取締りへの協力などにより、図書等の自動販売機の減少に向けて今後とも努力してまいります。