平成17年2月定例会・一般質問《質問日:平成17年3月1日》 …質問一覧のページに戻る
地場産業の支援について
今年一月一日から朝日新聞の連載で「埼玉が世界を変える」は、まさに目からうろこが落ちました。
光学レンズ、フルート、せん定ばさみなど、日本のみならず世界に誇れるものがたくさんあり、私も埼玉県人として本当にうれしく思い、新春を飾るには全くすばらしい記事であると思いました。
きっと労働商工部がうまくプレスを使って埼玉をPRしたいという気持ちで載せたのではないかなと推測する次第です。
草加せんべい、岩槻人形など、埼玉県は地場産業の産地数で全国一だそうです。
埼玉県は、東京、時代をさかのぼれば江戸という多くの人口を抱える一大消費地に隣接し、販路が確保されていたためであり、様々な消費財の一大供給基地として繁栄してきたあかしであります。
ところが、時代の経過とともに人々の生活スタイルは変化し、消費者ニーズも多様化する中、東南アジアや中国の追い上げに伴う安価な輸入製品の流入や生産拠点の海外移転等により、多くの地場産業は久しく苦戦を強いられております。
また、それに伴い将来に展望が描けない企業も増えてきており、その結果、後継者不足も深刻な問題になっています。
そのような中で、それぞれの企業も必死な努力を重ね、時代のニーズにマッチする新商品の開発に取り組んでおります。
特に昨今、経済合理主義への反省から、ゆっくり、のんびり、手間暇かけてというスローフード、スローライフの考えが日本でも起こっておりますが、これは正に本物へのこだわりであり、埼玉県の地場製品にとっても大きなチャンスとなるはずです。
しかしながら、せっかく開発した新商品も、小規模零細企業が多いため、それを販売ルートに乗せていくことがまだまだ困難だと聞いております。
社会経済情勢の変化や消費者ニーズの多様化を踏まえ様々な商品が流通する中で、作った製品をいかにしてPRし、そして売るかが大変大きな課題となっています。
県では、優良な県内産品を推奨することにより県産品の普及と品質の向上を促進し、郷土の産業振興を図るため、彩の国優良ブランド品制度を設けています。
県内の事業所で製造加工された商品及び加工された商品で一定の条件を満たしたものを認定すると聞いております。
認定を受けた製品のPRや販売促進についても積極的に進めていく必要があるのではないかと思います。
知事は、日ごろから「お金ではなくアイデアを出す」と言っておられますが、例えばコンビニエンスストアのようなお店と連携をして、県特産品コーナーを設けてはいかがでしょうか。
このような仕掛けであれば、予算も取らずに、県民や他県の方々が埼玉県の地場産業や地場の産物と身近な場所で出会うことができると思います。
その結果、製品のPRや売上げの増加、地場産業の振興につながるものと考えますけれども、労働商工部長の御所見をお伺いします。
また、七百万県民を擁する埼玉県では、多くの人々がものづくりに携わっておられます。
農林業では野菜生産が全国第六位の地位を占め、製造業では約四万件の事業所があり、製造品出荷額は全国第六位を誇ります。
埼玉自慢の伝統産業や特産品もバラエティー豊かです。
県内には、地域に根ざしたこのように多くの地場産業があるわけですから、学校教育の場で生徒に教えてみるのはいかがでしょうか。
ものづくりに対する理解が深まるとともに、郷土埼玉県に対する愛着がわいてくるものと思います。
さらには、後継者としてやってみようとするやる気のある子供たちが出てくるということも考えます。
教育長の御所見をお願いいたします。
地場産業の支援について
馬場 竹次郎 労働商工部長
本県では、優良な県産品の推奨を図る観点から彩の国優良ブランド品制度を設け、認定された製品を積極的にPRするとともに、埼玉県物産振興協会と連携し、大宮ソニックシティにある優良県産品販売センター「そぴあ」や、大手スーパーをはじめとする各種物産展での販売を行っております。
平成十六年度は、国体開催時に県産品の販売ブースを設けましたほか、新たに県民の日を記念した県産品フェアの実施や、大手スーパーにおける常設の県産品販売コーナーの設置などにも取り組んだところでございます。
この結果、埼玉県物産振興協会が取り扱った優良県産品の販売額は、平成十七年一月末で前年同月比約三〇パーセントの増加となっております。
御提案のコンビニエンスストアとの連携につきましては、現在関係者と協議を行っております。
コンビニエンスストア側からは、売上げが期待できるもので、店のイメージや消費者のし好、さらには独自に設けている安全基準に適合する商品については販売を検討できるとの意向が示されております。
今後、関係者との調整を図りながら、連携の可能性を探ってまいります。
また、現在、優良ブランド品や伝統的手工芸品をインターネットで購入できるよう検討を進めております。
今後とも優良な県産品をより多くの方々に知っていただき、需要の拡大、販路の拡大が図られるよう取り組んでまいります。
稲葉 喜徳 教育長
議員お話しのとおり、県内の地場産業を生きた教材として児童生徒に教えることは、郷土埼玉の良さを理解させ、郷土を愛する心をはぐくむ上で大変意義あることと認識しております。
現在、小中学校では、お話にございました岩槻の木目込人形づくりや小川の手すき和紙での卒業証書づくりなど、生産に携わる人々から直接指導を受けながら体験的な学習を行っておりまして、子供たちは地場産業の歴史的背景や職人の熟練の技のすばらしさを学んでおります。
また、地域の農家や工場への見学、ふるさと学校給食月間における地場産の米や野菜を食材に取り入れた給食、地場産業に携わる方を講師に招いたふれあい講演会など、地場産業を取り上げた学習を通して、生産に携わる人々の工夫や努力を体験的に学んでおります。
今後関係部局と連携を深め、地場産業に関する情報や地元の商工会議所と学校とが連携を図った実践事例などを市町村教育委員会へ積極的に提供し、各学校での取組を一層推進させてまいります。