平成17年2月定例会・一般質問《質問日:平成17年3月1日》 …質問一覧のページに戻る
計画の簡素化と成果主義について
「机上の空論」「絵にかいたもち」などと、昔の人はうまいことを言ったものだなと感心をいたしますが、県では、平成九年には埼玉県長期ビジョン、平成十四年には彩の国5か年計画21を策定したほか、男女共同参画推進プラン2010、彩の国ゴールドプラン21をはじめ、百を超える立派な個別の行政計画が策定されております。
さぞ大変な時間とエネルギーを費やしたことではないでしょうか。
このように県が策定する計画には様々な計画がありますが、本当に役立っているものなのでしょうか。
労多くして、効果少なしではないかと思う節もあります。
また、最近では行財政改革プログラムが公表されましたが、策定に当たっては部局調整に苦労されたと聞き及んでおります。
計画というものは、つくるまでに多大の労力を費やしてしまい、その後の実行がついついおろそかになってしまうのが常であります。
県民にとって決して分かりやすいものではなく、悪く言えば、役人の自己満足の代物と化してしまっているものもあるのではないかと思います。
知事のマニフェストに基づく計画や県の総合的な計画は必要と考えますが、それ以外の個別計画については、大幅に整理した上で、どれだけ目標を達成されたのか、どれだけ県民の生活が良くなったのかなど、成果重視の計画づくりが重要であると思います。
知事の御所見をお願いいたします。
また、知事がよく言われている異物論ではありませんが、個別計画の進行管理を各部局に任せきりにするのではなくて、例えば県の総合計画を所管する改革政策局の職員が各部局の計画の進行管理に参画してはいかがかと提案をいたします。
計画づくりに終わるのではなく、どれだけ実行したかに重点を置くべきと考えますが、総合政策部長の御所見をお伺いいたします。
計画の簡素化と成果主義について
上田 清司 知事
行政課題は多岐にわたり、しかも長期的な対応が必要なことが多く、また、予算の単年度主義を補う意味からも行政計画が多いということは、ある意味ではやむを得ないというふうにも思います。
しかしながら、いかに大きな、大変な労力を費やしてつくった計画においても、策定を終えた瞬間から、多かれ少なかれ現実との開きが出てまいります。
こうした計画の限界を理解し、計画で意図した成果が実際に上がっているのかどうか、県民生活が良くなったのか悪くなったのか、常に点検を怠らないことが重要だというふうに思います。
極めて厳しい財政環境の中で、限られた財源を県民生活の向上に役立つ分野に振り分ける意味でも、成果重視の計画という考え方は非常に重要だというふうに思います。
確かに御指摘のように、これまではややもすると計画をつくることに全力を挙げて、その後のフォローがおろそかになっている事例もなきにしもあらずであったんじゃないかと思います。
しかし最近では、県議会の御協力も得て策定いたしました彩の国5か年計画21において、政策指標という新しい方式を導入し、政策を評価し、予算に反映する工夫もされているところでもございます。
また、私自身も成果主義に力を入れていることは御承知のとおりだと思います。
例えば行財政改革プログラムでは、平成十七年度から平成十九年度までの三年間の具体的な目標や数字を明らかにしております。
さらに、企業誘致大作戦アクションプランでは、二か年で百社の立地を実現するという具体的な数値目標を掲げています。
このように成果の達成状況がすぐ分かる、そのようにすることが極めて大事だと。
私も含めて、担当部局も真っ正面から取り組むようにしております。
また計画に限らず、すべての業務執行についても成果を厳しくチェックすることが必要だと考えます。
今後も議員御指摘の方向ですべての計画や施策を展開するため、平成十七年度から策定に着手する新たな総合計画の検討の中で、下位計画でもある個別計画の策定後の活用状況や必要性も検証し、成果を重視した政策マネジメントサイクルの確立を目指してまいります。
中村 一巖 総合政策部長
児現在、各行政分野の課題に対応し、彩の国5か年計画21を実現するための計画として位置付けられておりますいわゆる個別計画が約百三十ほどございます。
これらの個別計画の進行管理に、改革政策局など他部局の職員が参画することとの御提案及び、どれだけ実行したかに重点を置くべきではないかについてでございますが、お話しにございましたように、計画はつくって終わるのではなく、計画の目標達成に向け実行し成果を上げることが重要でございます。
そのためには、社会経済状況の変化を的確に把握し、県民の目線に立って行政活動の成果を客観的に評価し、予算に反映する仕組みが大切であります。
十六年度の事務事業総点検では、改革政策局、財政課の職員のほか、他部局の職員も二次評価のメンバーに加えましたところ、新鮮な目でゼロベースからの評価が行われ、大変成果が上がりました。
彩の国5か年計画21をベースに実施しております政策評価に当たりましても、各個別計画を担当する事業部局で成果を評価することはもちろんですが、改革政策局がヒアリングなどを適宜行い、その評価の客観性を向上させるよう努めているところでございます。
先ほど知事からの答弁にもございましたとおり、最近の計画におきましては、目標は極力数値化した上で、随時その達成状況を点検し、その成果を予算や組織定数に反映させるという成果主義に重点を置いております。
今後の計画づくりや進行管理に当たりましても、担当部門の自己満足に終わらないよう、できるだけ他部局の職員や外部からの評価も求め、どれだけ成果を上げたかという成果主義が全庁的に徹底されるよう更に一層努めてまいります。