平成16年2月定例会・一般質問《質問日:平成16年3月1日》 …質問一覧のページに戻る
電子県庁の実現について
電子県庁は、インターネットなど情報通信技術の活用により自宅やオフィスからオンラインで行政手続を済ませる行政手続の電子化のほか、手数料等の電子納付や県税の電子申告、公共事業などの電子入札、情報公開の電子化、内部手続としての電子決裁などを柱とするものと伺っております。
こうした電子県庁の構築は、行政手続等の迅速化やペーパーレス化、ワンストップ化、ノンストップ化による県民、企業等の利便性の向上とともに徹底した事務処理の効率化による行政としてのコスト削減を目指すものでなければなりません。
また、不正アクセス対策やコンピューターウイルス対策などの情報セキュリティの確保や個人情報の保護、書面主義などによる技術面、制度的な課題があると考えます。
国においては、平成十五年度までに世界最先端のIT国家を目指すとするe-Japan戦略やe-Japan戦略Ⅱなどを策定して、こうした国家戦略の重要な柱の一つとし、電子政府、電子自治体の実現を掲げております。
本県においては、これまで国における電子政府の構築と連携しつつ、段階的に電子県庁の構築を推進してきたとのことでございますが、電子県庁の実現に向けたこれまでの本県の取組状況と今後の見通しについて総務部長にお伺いをいたします。
また、本県の電子県庁が実現した場合の効果、特に行政コストの削減については、現時点ではどのようにとらえているのか、併せて総務部長にお伺いをいたします。
電子県庁の実現について
今井 大輔 総務部長
電子県庁の実現に向けたこれまでの取組といたしましては、平成十三年度に本県のIT施策の実施計画であるIT推進アクションプランを策定し、その中で行政運営にITを導入して県民サービスの向上と業務の効率化を目指す電子県庁を実現することを位置付けました。
これに基づきまして、電子県庁を構成する各種のシステム開発を進めておりまして、平成十五年四月には、イベントの参加の申し込みなど厳格な本人確認を必要としない手続をインターネットで受け付ける簡易な電子申請システムの運用を始めております。
また、六月には文書管理システムの運用を開始いたしておりまして、庁内の文書について電子的に作成し、保存することが可能となっております。
さらに、本年一月には電子的な手続に当たって、本人確認や送信内容の改ざんの有無を確認するための公的個人認証サービスを始めたところであります。
今後の見通しについてでありますが、十六年度には厳格な本人確認を必要とする申請届出手続の電子化、公共工事の入札手続の電子化、インターネットによる情報公開などの県民向けサービスを開始する予定でございます。
また、庁内におきましても、パソコンの画面上の入力で意思決定を行う電子決裁を導入するとともに、財務事務などを効率化する財務会計旅費システムの運用を始めることにいたしております。
このように、平成十六年度は電子県庁が本格的な運用段階に入る電子県庁元年ともいうべき年に当たるのではないかと存じます。
さらに、平成十七年度には物品調達の入札手続の電子化や県税申告、さらに手数料の徴収を伴う行政手続の電子化をはじめ、一層の県民サービスの向上に努めてまいります。
また、電子県庁の効果としての行政コストの削減についてでありますが、システム化と併せた業務の見直しによりまして、平成十六年度以降、総務関係組織のスリム化、職員の削減を進めることといたしておりまして、平成十六年度には八十二人の定数を削減することといたしております。
さらに、既存のネットワークの統合により、回線の維持管理費用を年間約一億五千万円を削減するほか、職員の旅費や紙使用料の節減などにより年間約九億六千万円のコスト削減を目標として取り組んでまいります。
今後とも、電子県庁の推進に当たりましては、その投資効果を最大限に引き出すため、県民サービスの向上と既存の組織体制、業務執行の見直しに継続的に取り組んでまいります。