平成16年2月定例会・一般質問《質問日:平成16年3月1日》 …質問一覧のページに戻る
私学助成の在り方について
今日、国際化、情報化、少子化など子供たちを取り巻く環境が大きく変化をし、また閉塞感に覆われた現代の日本においては、次代を担う子供たちが将来に大きな夢を描きにくい社会になっております。
こうした中、私立学校にあっては、それぞれの建学の精神と独自の校風の下、特色ある教育を実践され、本県の公教育の一翼を担う教育機関として、私立学校に寄せる県民の期待はますます高まってきております。
さて、知事がさきに示した新生埼玉行動計画に掲げた保育所待機児童解消策は、子育て支援策として大いに期待するところではございますが、小学校就学前の幼児教育にあって、人間形成の基礎を形成する幼稚園の果たす役割は極めて大きいものがあります。
中でも幼稚園児の九割以上が私立幼稚園に通っている本県においては、市町村のそれぞれの地域にあって、子育て支援や幼児教育における私立幼稚園の役割はますます重要であり、今後とも地域にあって、地元のニーズにこたえながら保育の充実や子育ての支援の諸活動をますます進展させていくことが必要であります。
また、私立高等学校においては、本県では中学校を卒業する生徒の進学先の多くをゆだねており、生徒の個性を尊重しながら特色ある教育の実践を重ね、本県の豊かな青少年の育成に大きく寄与していくことが求められております。
このような状況の下、長引く不況による給与所得等の減少など経済状況の大きな変化の中で保護者の教育費負担は重く家計を圧迫しております。
こうした中で、保護者が学校に納める初年度納付金を比較いたしますと、私立学校の負担が幼稚園においては四・三倍、高等学校の場合では六・八倍となるなど、いわゆる公私格差が大きく生じているのが現状であります。
また、一人当たりの公立学校と私立学校の公費負担を比較した場合でも、私立学校への公費負担は公立学校のそれに及ばない現状がございます。
今後とも、父母負担軽減事業による保護者負担の軽減とともに、運営費補助により私立学校がより良い教育環境の整備が図れるよう私学助成の一層の充実が必要と考えます。
そこで、県では今後の私学助成の在り方についてどのように考えてらっしゃるか、総務部長にお伺いをいたします。
私学助成の在り方について
今井 大輔 総務部長
本県の私立学校は、それぞれの建学の精神に基づき、時代の要請にこたえる特色ある教育を実践し、公教育の一翼を担う重要な役割を果たしております。
このため、県といたしましては、大変厳しい財政状況の下におきましても、私立学校の果たす重要な役割にかんがみ、運営費補助をはじめ父母負担軽減事業補助等の充実に努めてまいりました。
私立幼稚園につきましては、昨年七月に次世代育成支援対策推進法が成立いたし、市町村など地域における幼児教育や子育て支援に重要な役割を果たすことが期待されております。
こうしたことから、県では市町村との役割分担を踏まえつつ、私立幼稚園が教育環境の維持向上を図り、保護者負担の軽減と子育て支援の充実を図ることができますよう助成してまいります。
また、私立高等学校につきましては、平成十五年十二月定例会の議決を踏まえまして、運営費補助金の積算方法を見直すとともに、家計急変世帯や住民税非課税世帯などへの補助単価を増額し、より一層の授業料軽減補助の充実を図ったところでございます。
今後とも、私立学校の教育条件の向上と保護者の負担軽減などが図られるよう私学助成の充実に努めてまいります。